第3章では、新品と中古の使い分けという「揃えるとき」の判断基準を見てきました。
ここからの第4章では、実際に単身赴任生活が始まったあとに家電まわりでよく起きる「あるある」と、帰任が決まったときの家電の扱い方を扱っていきます。
まずはこの記事で、単身赴任生活が始まってから気づきやすい家電の「あるある」を、具体的な場面ごとに整理しておきましょう。
1. なぜ「選んだはずの家電」で困ることが起きるのか
単身赴任前の家電選びは、赴任先の間取りや生活スタイルがまだ想像の段階であることが多く、どうしても「最低限あれば足りるだろう」という基準で選びがちです。
ところが実際に生活が始まると、平日は仕事で忙しく家事に割ける時間が短い、休日にまとめて家事をする、といった単身赴任特有の生活リズムが見えてきます。

赴任前には想定していなかった不便さが、生活が落ち着いた入居1〜2ヶ月ごろになって表面化するというのが「あるある」の正体です。
ここから紹介する内容は、これから単身赴任を始める人にとっては事前の備え、すでに生活が始まっている人にとっては買い足し・見直しの判断材料として読んでみてください。
2. あるある1:洗濯機に乾燥機能がなく、部屋干し臭に悩む
単身用として選ばれやすい縦型洗濯機の多くは、乾燥機能がないか、あっても簡易的な送風程度にとどまります。
平日は仕事で洗濯物を外に干す時間がなく、休日にまとめ洗いをする生活だと、部屋干しの機会がどうしても増えます。

梅雨や冬場の部屋干しが続くと生乾き臭が発生しやすくなることは、単身赴任経験者の間でよく語られる悩みのひとつです。
対策としては、部屋干し用の洗剤や除湿機・サーキュレーターを併用する、あるいは乾燥機能付きの洗濯乾燥機やドラム式を選び直すという方法があります。
第2章で紹介した家電レンタルであれば、乾燥機能付きモデルへの機種変更を業者に相談できる場合もあるため、契約時に交換条件を確認しておくと安心です。
部屋干し臭は洗濯機自体の性能だけでなく、部屋の風通しや洗濯物を干す位置にも左右されるため、浴室乾燥機能付きの部屋であればそちらを優先的に使うという選択肢もあります。
3. あるある2:単身用の小型冷蔵庫では容量が足りない
単身赴任向けに選ばれやすい100〜150L程度の冷蔵庫は、一人分の食材を保存する分には十分に見えますが、実際にはまとめ買いした食材や作り置きの容器で意外とすぐ埋まってしまいます。

特に自炊派で週末にまとめて調理する人ほど、冷凍室の狭さに困りやすい傾向があります。
また、冷凍食品や氷を作る習慣がある人ほど、冷凍室の容量不足を早い段階で実感しやすいという声もよく聞かれます。
対策としては、自炊の頻度が高い人はワンランク上の200L前後のモデルを検討する、あるいは冷凍庫だけを小型の単体家電で補うという選択肢もあります。
逆に外食・コンビニ中心の生活になりそうな人は、無理に大きな冷蔵庫を選ばず、置き場所の省スペース性を優先する判断も十分に合理的です。
迷った場合は、赴任先での自炊頻度を「週に何回作るか」まで具体的にイメージしてから容量を決めると、後悔しにくくなります。
4. あるある3:電子レンジ機能では惣菜の温め直ししかできない
単純な温め機能だけの電子レンジを選んだ場合、コンビニ弁当や惣菜の温め直しはできても、オーブン機能やグリル機能がないため調理の幅が広がりません。
自炊を続けるつもりだった人ほど、後になって「オーブンレンジにしておけばよかった」と感じやすい家電のひとつです。
赴任前の時点で、自炊をどの程度続けるつもりかを具体的にイメージし、温め機能だけで足りるのか、オーブン・グリル機能まで欲しいのかを事前に決めておくことが、この「あるある」を避ける一番の近道です。
すでに単純な電子レンジで不便を感じている場合は、無理に買い替えず、オーブントースターを別途追加するという選択肢もあります。
5. あるある4:コンセントの数・アンペア数が足りず同時に使えない
単身赴任先の部屋は、ワンルーム・1Kなど比較的コンパクトな間取りが多く、コンセントの口数や契約アンペア数も控えめに設定されていることがあります。
電子レンジと電気ケトル、あるいはドライヤーとエアコンを同時に使ってブレーカーが落ちる、というトラブルは実際によく起きる「あるある」です。
対策としては、内見や契約時にブレーカーの契約アンペア数を確認し、消費電力の大きい家電(電子レンジ・ドライヤー・エアコン・電気ケトルなど)を同時に使わない生活動線を意識しておくとよいでしょう。
可能であれば、入居後にアンペア数を見直せるかどうかも合わせて確認しておくと安心です。
電力会社によってはアンペア数の変更を申し込みから数日程度で対応してくれる場合もあるため、頻繁にブレーカーが落ちるようなら早めに相談してみる価値があります。
6. あるある5:梅雨・夏場の湿気対策の家電を後から買い足すことになる
赴任先の地域や部屋の日当たり・風通しによっては、梅雨時期や夏場の湿気・カビ対策が想定以上に必要になることがあります。

当初の家電リストに除湿機や衣類乾燥機を入れていなかった人が、梅雨入り後に慌てて買い足すというケースは珍しくありません。
赴任先の地域の気候(梅雨の長さ、夏の湿度、冬の乾燥など)を事前に調べ、必要になりそうな家電をあらかじめリストに加えておくと、生活が始まってからの慌ただしい買い足しを減らせます。
特に1階の部屋や北向きの部屋は湿気がこもりやすいため、内見の段階で日当たり・風通しを確認しておくと、後からの買い足しを減らせます。
7. あるある6:備え付けエアコンの故障を自己負担だと勘違いする
賃貸物件のエアコンは、多くの場合「大家・管理会社の設備」として備え付けられており、経年劣化による自然故障であれば入居者の自己負担にならないケースが一般的です。
ところが、故障の原因が自分の設備なのか大家の設備なのか区別がつかず、確認せずに自費で修理業者を手配してしまう「あるある」も起きがちです。
エアコンに限らず、給湯器やインターホンなど部屋に備え付けられている設備は同様の考え方になることが多いため、動かなくなったら自己判断で業者を呼ぶ前に、まず管理会社・大家に連絡するのが基本です。
8. まとめ:入居前にワンランク上の想定をしておく
今回紹介した6つの「あるある」を、対策とあわせて一覧にしておきます。
| あるある | 対策の方向性 |
|---|---|
| 洗濯機に乾燥機能がなく部屋干し臭 | 部屋干し用洗剤・除湿機併用、乾燥機能付きへの変更相談 |
| 小型冷蔵庫で容量不足 | 自炊頻度に応じて200L前後を検討、冷凍庫を別途補う |
| 電子レンジが温めしかできない | 自炊頻度を事前にイメージし、オーブン機能の要否を決める |
| コンセント・アンペア不足 | 契約アンペア数と消費電力を事前照合、同時使用を避ける動線を意識 |
| 湿気対策家電の買い足し | 赴任先の気候を事前に調べ、除湿機等を先にリスト化 |
| 備え付けエアコン故障の自己負担誤解 | 自己判断で業者を呼ばず、まず管理会社・大家に連絡 |
今回紹介した「あるある」に共通しているのは、赴任前の想定が「最低限」に寄りすぎていたために、生活が始まってから不便さが表面化するという構図です。
自炊の頻度・洗濯物の干し方・赴任先の気候・設備家電と自前家電の区別といった具体的な生活シーンを一段階具体的に想定しておくことで、多くの「あるある」は事前に避けられます。
次の記事では、実際に家電が壊れてしまったときにどう対処すればよいかを見ていきます。
次に読むべき記事
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