単身赴任が決まると、家電をどう揃えるか、初期費用をいくら見込むかに意識が向きがちです。
実際に単身赴任、初期費用トータル試算(家電レンタル・新品購入・中古を全パターン比較)や、「買う」「借りる」「持っていく」を判断する4つの基準では、家電レンタル・新品購入・中古購入それぞれの費用感を試算してきました。
ただ、これらはあくまで「支出」側の話であり、その費用をどこから捻出するかという「収入」側、つまり会社から支給される単身赴任手当の話にはあまり触れてきませんでした。
今回は、単身赴任手当の一般的な相場感を整理したうえで、そのうちどれくらいを家電費用に充てるのが現実的かを考えていきます。
1. 単身赴任手当とは何か、まず押さえておきたい前提
単身赴任手当は、法律で支給が義務付けられている手当ではありません。
会社が任意で設ける福利厚生の一種であり、支給の有無・金額・条件はすべて各社の就業規則や給与規程によって決まります。
そのため、「単身赴任手当は平均◯円」という数字を自分の状況にそのまま当てはめることはできません。
ここで紹介する金額はあくまで一般的な調査に基づく目安として捉えてください。
単身赴任に関連する手当には、毎月の生活費補助にあたる「単身赴任手当」のほか、帰省の交通費を補助する「帰省旅費」、赴任時の引っ越し費用を補助する「転勤支度金」など、複数の種類が用意されていることもあります。
まず自分の会社にどの手当がいくつ用意されているのかを、就業規則や給与規程で確認するのが最初のステップです。

2. 一般的な相場感はどのくらいか
厚生労働省の調査(令和2年就労条件総合調査)によると、単身赴任手当の平均支給額は月額47,600円程度で、国家公務員は基礎額30,000円に距離加算(上限70,000円)が上乗せされる仕組みになっています。
企業規模別の支給割合や、公務員の距離加算の考え方まで含めた相場感の詳しい内訳は、単身赴任手当の相場を専門に整理した記事でまとめています。
3. 単身赴任手当は課税されるのか
単身赴任手当は、原則として給与所得に含まれ、所得税の課税対象になります。
毎月の給与に上乗せされて支給される性質のものであるため、非課税の対象にはならないと考えておくのが基本です。
毎月の単身赴任手当(課税)と、引っ越し時の支度金・実費精算(非課税になりうる)は別物として整理しておくと、手取りベースでの予算感がつかみやすくなります。
4. 手当のうち、家電費用にどれくらい回すのが現実的か
初期費用トータル試算の記事では、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジの3点セットについて、レンタル一式・新品一式・中古中心の3パターンで費用を比較しました。
新品一式は8万〜12万円程度、中古中心は3万〜7万円程度、レンタル一式は月額4,000円程度という試算です。
仮に単身赴任手当が月4万〜6万円程度だとすると、手当の1〜2ヶ月分で、新品一式・中古中心のどちらの初期費用もおおむねカバーできる計算になります。

手当が多め(月6万円以上)のケース
手当が月6万円以上ある場合、1ヶ月分の手当で新品一式(8万〜12万円程度)の初期費用の大半をまかなえる計算になり、初期費用の負担感はかなり軽くなります。
残りの月の手当は、寝具やカーテンといった生活雑貨や貯蓄に回す余裕も生まれやすい水準です。
手当が少なめ・住宅手当中心のケース
手当が数千円〜2万円程度と少なめの場合や、住宅手当のみで単身赴任手当自体がない場合は、初期費用を1〜2ヶ月分の手当だけでまかなうのは難しくなります。
この場合は、初期費用そのものを抑えられる家電レンタルや中古中心の選択肢を優先的に検討するのが現実的な対応です。
新品一式にこだわると、赴任直後の家計を圧迫しかねません。
家電レンタルの月額料金であれば、手当が少額でも毎月の中でやりくりしやすくなります。
5. 予算の立て方、3ステップ
ここまでの内容を踏まえ、家電費用の予算を立てる手順を3ステップに整理します。

予算の立て方、3ステップ:
①自社の就業規則・給与規程で、単身赴任手当・住宅手当・転勤支度金の有無と金額を確認する
②初期費用トータル試算を参考に、レンタル一式・新品一式・中古中心それぞれのおおまかな総額を把握する
③手当だけでカバーできない差額を、貯蓄の取り崩し・家電レンタルの月額分散・家具家電付き賃貸の家賃上乗せのどれで埋めるか決める
Step1で確認する際は、人事・総務部門に直接問い合わせるか、社内ポータルの規程集を確認するのが確実です。
制度の呼び方が会社によって異なる(「単身赴任手当」ではなく「別居手当」「単身赴任者住宅手当」等の名称になっていることもある)ため、規程集を検索する際は複数のキーワードで探すのがコツです。
6. 住民票・行政手続きにかかる手間もあわせて確認しておく
単身赴任にともなう準備は、家電・家具だけではありません。
住民票を移す場合の転出・転入手続きや、マイナンバーカードの住所変更などは、行政手続きとしては費用がかからないことがほとんどですが、手続き自体にかかる時間や、平日に役所へ足を運ぶ手間は見込んでおく必要があります。
住民票を移すかどうかの判断基準や、社会保険の会社経由での手続きについては、「単身赴任と住民票、移すかどうかの判断基準と行政手続きの流れ」で詳しく取り上げています。
7. まとめ:自社の規程を確認してから試算し直す
単身赴任手当は会社ごとに金額・条件が大きく異なり、「平均◯円」という数字をそのまま自分に当てはめることはできません。
まずは自社の就業規則・給与規程を確認し、そのうえで初期費用トータル試算と照らし合わせながら、手当でどこまでカバーできるかを具体的に計算してみることが、予算立ての一番の近道です。
手当だけで足りない部分は、家電レンタルや中古中心の選択肢で初期費用そのものを抑える工夫も検討してみてください。


コメント